西武のポケット時刻表

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協和企画から独自へ

西武のポケ時は以前は協和企画制作のポケ時でしたが、2010(平成22)年から独自タイプに変わっています。
これは同年の協和企画破産が原因と思われます。
ここでは協和企画前後のポケ時の流れを田無駅のポケ時で見ていきます。

田無、2008(平成20)年6月改正
▲田無、2008(平成20)年6月14日改正、両面
協和企画時代のポケ時です。
紺赤2色刷りで、種別の違いは記号による部分が多くなっています。

西武では協和企画破産直後の2010(平成22)年3月6日にダイヤ改正がありましたが、当初西武ではポケット時刻表を制作しないことが発表されていました。
2010(平成22)年2月25日付ニュースリリース「西武鉄道Webサイト、モバイルサイト上の電車ご案内情報サービスを充実しました」において、
「※今回の西武鉄道Webサイト、モバイルサイト上の電車ご案内情報サービスの充実化に伴い、駅置きのポケット時刻表は廃止いたします。 長らくのご愛顧ありがとうございました。」という表現があり、実際ダイヤ改正当初はポケ時が作られず、代わりに時刻表サイトの案内が配られました。

時刻表の案内
▲時刻表の案内、2010(平成22)年3月6日改正分、両面
5月に駅で時刻表を頼むと、「携帯サイトで云々」と言われ、ポケ時の代わりにこれを渡されました。
「新しい時刻表は当社サイト、または、携帯サイトをご覧ください。」という表現があり、遠まわしにポケ時の配布が無いことを伝えています。

おそらく協和企画の代わりを見つけることは諦め、「携帯がある今の時代、ポケ時の配布は必要無いだろう」という判断でこのようになったのだと思われます。
ただ、結果的には、6月になって独自タイプのポケ時に切り替えて、配布を開始しています。
2010(平成22)年6月15日付お知らせ「Webサイト上で見やすい時刻表を印刷できるようになりました。」において、
「※パソコンを利用されないお客さまへ 各駅にミニサイズ時刻表をご用意しております。係員までお申出ください。」という表記があります。
ホームページを見る人に「パソコンを利用されないお客さま」がいるとは思えませんが、ともかくポケ時の配布が再開していることを知らせています。
復活を求める声が多かったのでしょう。

田無、2010(平成22)年3月改正
▲田無、2010(平成22)年3月6日改正、両面
復活したポケ時です。
協和企画時代とはポケ時の大きさはほぼ同じです。
ただ内容はかなり変わったものとなり、黒青赤3色へ変更したほか、通過表示や接続案内が無くなっています。
また、行き先表示の「無印」は無くなり、全列車に行先の記号が付いています。

この復活したポケ時は、備考欄の文字はかなり小さく、またその割に下側に余白があることから「急遽作ったのかなあ」と思わせるものでした。
このポケ時に対する意見が色々あったのでしょうか。1年後の2011(平成23)年03月改正においてポケ時の書き方に若干の手直しがされています。

田無、2011(平成23)年3月改正
▲田無、2011(平成23)年3月5日改正、両面
文字サイズが一回り大きくなったほか、字間の拡大、行先無印や通過表示の復活など様々な修正が加えられています。
それらに伴い、ポケ時も2面構成から4面構成に拡大しています。
また、今まで裏表で平日/土休日となっていたものが、上り/下りに変更となっています。

ポケ時が無くなる、しかも大手の会社で、という事態はポケ時を趣味とする私にとっては衝撃の事件(?)でした。
他の会社も追随し、自分の研究対象が減っていくのかと考えたりしました。
ですが、結局ポケ時は復活し、その後手直しもされているところを見るとまだまだポケ時は配られそうです。
ただ、今後ポケ時が時代遅れなものとして無くなっていくことも十分考えられます。
ポケ時について考えさせる出来事になりました。

平成22年式ポケ時

ここでは2010(平成22)年の独自タイプへの変更当初のポケ時をいくつか紹介します。

練馬、2010(平成22)年3月改正
練馬、2010(平成22)年3月改正
▲練馬、2010(平成22)年3月6日改正、両面
ポケ時は方面別、平日/土休日別に1面取るため、この駅では4面に拡大しています(参考:平成20年改正版)

西武遊園地、2010(平成22)年3月改正
▲西武遊園地、2010(平成22)年3月6日改正、両面
上と同じ理由でこの駅では2面に拡大しています。
山口線(レオライナー)は白黒からカラーにバージョンアップしています(遊園地西や西武球場前も同様にカラーになっています)。
当駅始発は下線で案内がありますが、この駅の場合全列車が始発なので全く意味の無いものになってしまっています(かなり見難いですが全列車に下線が付いています)。
後の平成23年版を見ると、そのあたりも改善されているのが分かります。

多磨、2007(平成19)年3月改正
▲多磨、2007(平成19)年3月6日改正、両面
今まで路線時刻表しか無かった多摩川線の各駅で駅別時刻表が配られるようになっています。
ただ、ダイヤ改正の日付がなぜか2007年になっています。
多摩川線は2010(平成22)年当時、2004(平成16)年改正以来時刻の変更は無いはずです。
というより、2004(平成16)年改正・2008(平成20)年発行のポケ時と矛盾することになりますが・・・


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