阪急のポケット時刻表

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このページでは阪急のポケ時の個別研究を行います。

阪急路線図
▲阪急路線図(参考)

表紙上部駅名部分の変遷

2011(平成23)年現在、3系統の区別は色(緑橙青)によって分かるようになっていますが、そこに到るまでは色々な変化がありました。

各系統における駅名部分の比較
▲各系統におけるポケ時駅名部分の比較
平成8年までは3系統における区別はありませんでした。
平成9年11月の宝塚線ダイヤ改正によって枠の形が変化しました。
同じ変化は翌年の神戸線改正にも引き継がれています。
そのため、枠の変化は「系統による区別」を意図したものではなく、「古いダイヤのものとの区別」のためでしょう。
平成12年の宝塚線改正から問合せ先が付くようになり、枠も変化しています。
しかし、平成13年の京都線と神戸線の改正では宝塚線の新しい枠に変化することなく、今までのものを守っています。
ここに、駅名部分が3系統でそれぞれ違うものとなりました。
その後、平成18年改正からカラー化されたことに伴い3系統の区別は枠の形ではなく色によって行われるようになり、枠の形は以前の宝塚線タイプだったものに統一されています。
なお、別の話になりますが神戸線平成13年のもののみ「変更」表記となっているのが気になるところでしょうか。

梅田(京都線)、2007(平成19)年3月改正
▲梅田(京都線)、2007(平成19)年3月改正、両面
京都線のポケ時がカラーとなったこの時のポケ時は表紙駅名部分に「京都線」の表記がありません。(参考:平成23年版)
カラー化したためわざわざ表記しなくても色で分かると判断したのでしょう。
しかし、利用客がラインカラーを知っていなければ結局分かりにくいことになってしまいます。
この後の2009(平成21)年神戸線改正では路線名表記が残されています。
京都線でも2010(平成22)年改正では表記が無かったものの、2011(平成23)年改正で復活しています。

時刻欄の変遷

時刻欄の比較上から順に

1995(平成07)年06月改正
縦に長い字です。

1997(平成09)年11月改正
やや字が太くなっています。

1998(平成10)年02月改正
縦長をやめたようです。

2000(平成12)年06月改正
再び縦長に戻っています。字が細いです。

2001(平成13)年03月改正
再び縦長をやめたようです。

2003(平成15)年08月改正
時刻欄上部の字体が大きく変わり、時間列が白抜き数字になりました。

2006(平成18)年10月改正
カラー化で基本色が青から黒となり、網掛けもされるようになりました。

2010(平成22)年03月改正
枠の部分が変化し、文字に若干の修正が加えられたほか、各時刻を上に寄せるようになりました。
▲時刻欄の比較

路線図の変遷

2001(平成13)年3月の京都線・神戸線ダイヤ改正から路線図が付くようになりました。
宝塚線はその後の2003(平成15)年8月改正から付いています。 当初は裏表で平日用と土休日用と路線図が2種類ありましたが、2007(平成19)年3月の京都線改正からは1種類に統一されています。
その後、神戸線は2009(平成21)年3月改正から統一されましたが、宝塚線は執筆時点(2011年)でまだダイヤ改正が無いので平日用と土休日用が分かれたままとなっています。
なお、神戸線は3月改正の前の1月に今津南線の時刻修正がありましたが、そのポケ時は平日用と土休日用が分かれたままとなっています。
微修正だったため路線図の修正まで手を回さなかったのでしょう。

宝塚線路線図部分、2003(平成15)年8月改正
▲宝塚線路線図部分、2003(平成15)年8月改正(広告欄省略)
片面は平日用、もう一方は土曜・休日用と分けています。
ただ、時刻欄は方面別で裏表を分けており、路線図と対応しているわけではありませんでした。

京都線路線図部分、2003(平成15)年3月改正
▲京都線路線図部分、2003(平成15)年3月改正(広告欄省略)
どちらも平日用のものですが、なんだか違います。
支線の出る向きが逆になっていますね。
実際の位置関係を考えると右のほうが正しくなります。
平成13年改正では左のもので、平成15年改正でも最初は左のものでしたが、後に右のものに変更されています。

神戸線路線図部分2009(平成21)年3月改正、京都線路線図部分2010(平成22)年3月改正
▲神戸線路線図部分2009(平成21)年3月改正、京都線路線図部分2010(平成22)年3月改正(広告欄省略)
路線図が平日用・土休日用の区別が無くなり、一部種別に「平日のみ運転」という注釈が付いています。
また、2010(平成22)年からは駅の書き方が変わっています(○から□になっています)。

暫定カラー化

2006(平成18)年10月改正(神戸線・宝塚線)から阪急のポケ時がカラーになり見た目が大きく変わりました。
しかし、厳密な話をするとカラーのポケ時はその少し前から配られています。
2003(平成15)年改正(京都線・宝塚線)のものの後期ではカラーを一部取り入れたものを確認しています。

梅田(京都線)、2003(平成15)年3月改正
▲梅田(京都線)、2003(平成15)年3月改正、平日面
▲梅田(京都線)、2003(平成15)年3月改正、平日面
下のほうが順番的に新しいものとなります。
ぱっと見では若干鮮やかになったくらいにしか見えませんが、広告欄を見るとカラー化しているのが分かるかと思います。
時刻欄に手を加えていないように見えるのは、上の版のデータをそのまま踏襲しているためでしょうか。

宝塚(宝塚線)、2003(平成15)年8月改正
▲宝塚(宝塚線)、2003(平成15)年8月改正、平日面
▲宝塚(宝塚線)、2003(平成15)年8月改正、平日面
宝塚線でも同様に暫定カラー化したポケ時が配られたようです。

河原町、2003(平成15)年3月改正
▲河原町、2003(平成15)年3月改正、平日面
▲河原町、2003(平成15)年3月改正、平日面
こちらも下が暫定カラー化したものです。
が、さらに下のほうは表紙上部の駅名部分が変化し、枠の色分けが行われています。
一方で時刻欄は網掛けなどはしておらず、変化していません。
2007(平成19)年の京都線改正を前に表紙枠だけを新しくしたものが配られたということを意味し、非常に興味深いです。

<改正によらないポケ時の変化>
2003(平成15)年3月改正の京都線のポケ時について考えると、「路線図の修正」→「カラー化」→「表紙枠変化」と3回の変化、つまり4種類のポケ時があったことになります(とはいえ、1つの駅について4種類あったのかは確認していませんが)。
ダイヤ改正とは別にこれだけの回数ポケ時の体裁が変更されることは珍しいです。
ただ、阪急については何度かそのようなことがあります。
京都線については2007(平成19)年3月改正のもので、途中から2ドア車表記をやめて女性専用車表記がついたものに変わっています(6300系の運用の変化によるものと思われます)し、今津北線では2001(平成13)年3月変更のものについて途中から「▲印の列車は、夏休み等沿線学校の休校日には、運転をいたしません」という表記を付けるようになっています。
改正によらない変化は予見できるものではないので実際に貰ってみるまで分かりません。
ただ、同じ駅のポケ時を何度も取ることは普通しないので、なかなかこういう変化は気付かないものです。
ポケ時の変化の完全な追跡は非常に難しいものです。


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